仁淀川の恵みを原料にした「純米大吟醸 帖(じょう)」を発売
2021年7月7日より、世界一薄い最高峰の和紙「土佐典具帖紙」を制作するH A M A D A W A S H Iとコラボレーションして企画・製造した、「純米大吟醸 帖( じょう) 」を発売いたします。
仁淀川に流れ込む山の湧き水と、仁淀川流域で栽培した酒造好適米「吟の夢」を原料として醸した、地元にこだわった地酒です。
日本酒も和紙も、自然の恵みと人の手仕事によって生み出されるもので、その生業は1 0 0 0 年以上前から続いています。
この酒造りは、質の良い清らかな水を絶対条件とする日本酒と和紙の製造工程や考え方に共通点を見出し、土佐典具帖紙の製造に使われる水を仕込み水に使用しました。
また、その水と響き合って良い酒になるよう、原料の米は仁淀川流域産の「吟の夢」に限定しています。「地域の宝」を大切に大切に醸したこの酒を通じて、私たちは地域の文化を伝えていきたいと考えています。
地域の宝を原料に
「帖」のはじまりは2 0 1 7 年末、社長の大倉とH A M A D A W A S H I / 濵田さんの出会いがきっかけです。
「高知から世界に向けて、何か発信したい」と語り合う中で、和紙づくりと酒づくりに多くの共通点があることがわかりました。
良い水が必須であること、原料を磨き上げること、熟練の手が不可欠であること‥ ‥ 。
自然と人が織りなすものづくりが、暮らしの中に長く息づいて、それぞれの文化を醸成してきたのです。
この文化をもっと先の未来に伝えるために、何ができるだろうと考えた時、私たちのそばに「神の水」がありました。
濵田さんが生まれ育ったいの町神谷( コウニタニ) の集落では、山から流れ出る「神の水」といわれる清水を大切に使っています。
ごく薄い「かげろうの羽」と呼ばれる土佐典具帖紙は、その水で原料の楮を晒し、紙を漉きます。
同地区は、土佐の名水4 0 選の一つである「コウノスの水」も湧く、水の恵み豊かな土地。幼い頃から炊飯や料理、飲用にもこの水を使ってきた濵田さんと、「この水で酒を造ろう! 」と意気投合。
さらに、「この水に合うのは、この水が流れる仁淀川流域で育てた米だ! 」と、初年度の取り組みとしていの町の農家さんにご協力をお願いし、「吟の夢」を栽培していただきました。このお米もまた、自然の恵みと人の手が作り上げた地域の宝です。
熟練の技で醸す
「帖」は、徹底した温度管理が可能な設備を備えた「土佐蔵」( 2 0 1 8 年新設) で造りました。米を精米歩合4 0 % まで磨き上げ、高知酵母「A – 1 4 」で醸した純米大吟醸です。
神谷の水は、ミネラル分が多く、まるくてとてもきれいな味わい。その特徴を生かし、上品な香りと穏やかな飲み口、酸が効いたしっかりとした味わいの、酔鯨らしい「食事に合うお酒」に仕上がりました。「帖」のラベルは、高知県産の手漉き和紙を使用しています。和紙が水を吸収する瞬間を捉え、生きている水を表現したラベルは、発酵する醪の息遣いも感じられるデザインです。
酔鯨 純米大吟醸 帖(じょう)
水の源流探し、米づくり、醸造まで、約3 年がかりで出来上がったお酒です。
A – 1 4 酵母が表現するさわやかな吟醸香と、磨かれた吟の夢からくる上品なキレの良さ、仁淀川源流水の丸みとバランスの良い旨味を楽しんでいただける味わいです。
容量:720ml
精米歩合:40%、酵母:高知県酵母 A-14、日本酒度:+ 6.0、酸度:1.6、アミノ酸:0.8
価格 4,4 0 0 円(税込)
本品の売上の一部は、土佐和紙の後継者育成、発展の支援活動に充てられます。
H A M A D A W A S H I
1 9 9 7 年 和紙の人間国宝である祖父・幸雄に師事。2 0 1 2 年四代目を継承し浜田兄弟和紙製作所を設立。製紙のみならずアートワークも行い多彩な和紙を生み出している。近年では国内外のアーティストやブランドとのコラボレーション、建築の空間デザインを手掛けるなど活動の場を広げている。2 0 2 0 年羽田空港第3 ターミナル内のアートワークを制作。濵田家の「土佐典具帖紙」は2 0 0 1 年国の重要無形文化財に指定された。